風は塗装の大敵
模型塗装において、風は見落とされがちな環境要因のひとつです。湿度や気温ほど語られることは多くありませんが、風速が強い日の塗装には特有のトラブルが発生します。
風が塗装に与える影響
塗料の飛散・ミストの乱れ エアブラシや缶スプレーの塗料ミストは非常に軽く、わずかな風でも流されてしまいます。狙ったパーツに塗料が乗らず、塗りムラや塗り残しの原因になります。
乾燥速度の異常な上昇 風があると塗膜表面の溶剤が急速に蒸発します。エアブラシの場合、ノズル先端で塗料が乾き詰まりが起きやすくなります。缶スプレーでは塗料が「ざらつき」になって表面に付着するドライスプレーの原因になります。
ホコリ・ゴミの巻き込み 風によって舞い上がったホコリや砂が、乾燥前の塗膜に刺さります。仕上げ後に表面がザラザラになる「ゴミ噛み」につながります。
塗料の意図しない箇所への付着 風で飛散した塗料ミストが、塗装済みのパーツや周囲のものを汚染することがあります。
風速ごとのリスク
| 風速 | 体感 | 塗装リスク |
|---|---|---|
| 0〜1 m/s | ほぼ無風 | ◎ 最適 |
| 1〜3 m/s | 葉がそよぐ程度 | ○ 概ね問題なし |
| 3〜5 m/s | 髪が揺れる | △ ドライスプレーに注意 |
| 5〜8 m/s | 小枝が動く | ✕ 屋外塗装は避ける |
| 8 m/s以上 | 傘が使いにくい | ✕ 屋外塗装は不可 |
塗装日和では風速もスコア計算に含まれているため、風の強い日は自動的にスコアが下がります。
ベランダ・屋外で塗装する際の注意点
換気のために屋外(ベランダ・庭)で塗装する方も多いと思います。安全に行うためのポイントをまとめました。
風向きを確認する 自分の体が風下になるように立つと、塗料ミストが顔にかかるリスクを減らせます。また、近隣の洗濯物や車に塗料が飛ばないよう風向きに注意しましょう。
塗装ブースを活用する 塗装ブース(排気ファン付きのボックス)を使えば、屋外でも塗料ミストの飛散を大幅に抑えられます。ブース内は風の影響を受けにくく、フィルターでミストも捕捉できます。
段ボール等で風よけを作る 簡易的な風よけを設置するだけで、局所的な気流の乱れを防げます。
缶スプレーは特に慎重に 缶スプレーはエアブラシより広範囲にミストが飛散します。風速3 m/s以上ある日は屋外での使用を避けるのが無難です。
室内塗装での換気と風のバランス
室内では換気のために窓を開けることがありますが、風通しが良すぎると上記のトラブルが起きます。
おすすめの換気方法
- 塗装ブース(排気ファン)を使い、窓は換気口分だけ開ける
- 換気扇を回して換気する
- エアコンの空気清浄機能を活用する
窓を全開にして外の風が直接当たる状態は避けましょう。
まとめ
風は湿度・気温と並んで塗装に大きな影響を与える環境要因です。塗装日和のスコアは風速も考慮しているため、「今日は風が強いのに高スコア?」という場合は風速の数値も個別に確認することをおすすめします。
屋外・ベランダ塗装をする場合は、スコアだけでなく実際の風を手で感じてから判断するのが最も確実な方法です。